遺留分の割合は次のとおり定められています(民法1028条)。
直系尊属(父母,祖父母など)だけが相続人である場合 | 遺産の3分の1 |
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その他の場合 | 遺産の2分の1 |
上記の割合で留保された全体としての遺留分を,遺留分権利者である相続人に法定相続分の割合で配分します。
したがって,多くの場合,遺留分権利者の個別的な遺留分は,上記遺留分割合×法定相続分で算定されます。たとえば,妻と子供2人が法定相続人の場合,各人の遺留分は妻が4分の1(法定相続分は2分の1),子供が8分の1ずつ(法定相続分は4分の1ずつ)になります(全体の遺留分割合は遺産の2分の1)。
ただし,配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合,兄弟姉妹には遺留分が認められないので,全体の遺留分2分の1は全て妻に配分されます。したがってこの場合,配偶者の遺留分は2分の1になります。遺留分割合(1/2)×法定相続分(3/4)が配偶者の遺留分ではないので注意が必要です。
遺留分減殺請求権を有する者(遺留分を侵害されている者)が複数いる場合,遺留分減殺請求権を行使するか否かは各人の意思に委ねられています。遺留分減殺請求権を行使しない者がいても,他の遺留分権利者の減殺請求権が増えることにはなりません。