遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が最低限、相続することができる財産をいいます。たとえば、被相続人が遺言で財産を全て長男に相続させることとしても、次男や三男は、自分の遺留分を主張して、最低限度守られている取り分を要求することができます。
遺留分は、遺言で特定の相続人に財産を多く相続させた場合のほか、被相続人が生前に財産を贈与した結果、相続時に財産が少なくなってしまった場合にも主張できます。
2018年に民法改正があり、遺留分権者が請求できる内容は次のとおりとなりました。
(1) 2019年7月1日以後に被相続人が亡くなった場合
遺留分を侵害された者は、遺言や生前贈与により多くの財産を取得した者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができます。請求できるのはあくまでも金銭であって、不動産その他の財産の移転を求めることはできません。
(2) 2019年7月1日より前に被相続人が亡くなった場合
遺留分を侵害された者は、遺言や生前贈与により多くの財産を取得した者に対し、取得した財産の一部を割合的に移転することを請求できます。つまり不動産を遺言で取得した相続人に遺留分減殺請求を行うと、遺留分に相当する共有持分が遺留分権利者に移転することになります。