代償金請求 次々に法的手続を行い,代償金の全額回収に成功した事例

事案の内容

  遺産分割協議の結果,ご相談者は,不動産を取得した相続人から代償金を受け取ることになっていたのですが,その支払いがなされませんでした。代償金の一部はただちに強制執行をすることができる文書(家庭裁判所の調停調書)があり,一部については強制執行をすることができる文書がありませんでした。

 

当事務所の活動内容

  まずは相手方との交渉から始めましたが,相手方が代償金の一部しか支払う意思がないことが明確だったので,法的手続をとることにしました。強制執行することができる文書がない代償金について不動産仮差押命令の申立と民事訴訟の提起をし,強制執行することができる文書がある代償金については不動産強制競売の申立を行いました。相手方は代償金の大部分は弁済されていると主張して,強制競売を差し止めるための訴訟を提起しました。

  法的手続を行いながら,相手方との間で継続して和解の交渉をしましたが,相手方は一括で支払うことのできる現金を持っていないという問題がありました。

 

結果

  最終的に和解により解決し,合計で約5300万円を回収しました。和解といっても,当方が計算した代償金の全額に,支払い時までの年5%の遅延損害金を足した金銭の支払いを受けるという内容でした。実質的に全面勝訴といえる和解で,遅延損害金が増えることを懸念して相手方は和解に応じました。

  本件では相手方が一括で支払う金銭を持っていなかったので,当事務所から和解金の貸し付けを行う銀行を紹介しました。相手方は所有している不動産を担保に銀行から借り入れをし,そのお金で当方に一括で和解金を支払いました。

  依頼から解決までの期間は約1年でした。

 

処理のポイント

  本件は支払う意思のない相手方とズルズル交渉を続けず,テンポ良く法的手続をとったことが功を奏した事例です。複数の法的手続を組み合わせて相手に逃げ場のない状態を作り,融資銀行の紹介までしたことが,代償金全額のスムーズな回収につながりました。1年の期間を要したことについては,紛争の規模や,複数の法的手続が必要だったことを考えると,やむ得なかったといえます。

 

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この記事の執筆者

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弁護士 伴 広樹

経歴

神奈川県厚木市出身。1997年司法試験合格後、2000年に司法修習を修了(52期)し、弁護士登録。横浜市内の法律事務所に勤務後、2004年に伴法律事務所を開設。年間170件の相続の法律相談に対応しており、相続問題の解決実績も200件を超える。
弁護士業務では①お客様の期待に沿う徹底した調査,②お客様が納得できる提案力,③お客様が安心して任せられる確実かつ迅速な処理の3つを心がけており、実際に業務に対しての評価も高い。

活動・公務など

・神奈川大学非常勤講師(2009年9月~2016年3月)
・明治大学リバティアカデミー(市民講座)講師(2015年~2016年)
・横浜弁護士会(現神奈川県弁護士会)常議員(2009年4月~2010年3月)
・一般社団法人神奈川健康生きがいづくりアドバイザー協議会神奈川健生成年後見センター運営委員会委員(2015年8月~)
・セミナー講師としての活動 川崎市役所,東京地方税理士会保土ヶ谷支部,神奈川県宅地建物取引業協会横浜中央支部,神奈川青年司法書士協議会など各種団体におけるセミナー講師を担当